近所のコンビニ、スーパー、最近では自動販売機でもエナジードリンクは販売されるようになり、入手までの障壁はほとんどないと言ってもいいと思います。
またトップのスポーツ選手だけではなく、一般の選手、さらには学生、疲れきったビジネスマンの間でもエナジードリンクを飲む光景は見慣れるようになってきており、最近では未成年アスリートの間でも定期的に飲む選手が増えています。
特にスポーツ選手は、「タイムをあと0.1秒縮めたり」、「ライバルより一歩先に反応したい」というように、少しでも成長していい結果を出せるように毎日ギリギリのところを生きていると思っています。
そういった選手にとって、できることは全てやっておきたい。そう考えるのは当たり前で、
飲むと「元気が出る」とか「集中力が上がってパフォーマンスがよくなる」とか、
戦略的に宣伝・広告された商品を何も考えずに手にとってしまう現状は仕方のないことなのかもしれません。
僕自身もキャリアの中で、何かに依存してしまいたいと、無意識にエナジードリンクや栄養剤と呼ばれるものに頼っていた時期があります。そういった習慣は当然、無理がでてきて、学生時代には逆流性食道炎になったことがあります。
(もちろん原因には口にするものだけではなく、ストレスや生活習慣などの様々な要素があると思いますが。)
どういった理由で効果があるのか、危険性があるのか、
知った上で選択することが重要だと思うので、個人的意見も踏まえてまとめてみます。
成分から考える
どのエナジードリンクも味は飲み心地は異なりますが、同じような成分で作られています。
人気エナジードリンクのである、「レッドブル」と「モンスター」の100mlあたりの成分をみてみます。
成分 | 含量 |
カフェイン | 32 mg |
炭水化物 | 10.8 g |
ナトリウム | 80 mg |
ナイアシン (ビタミンB3) |
3 mg |
パントテン酸 (ビタミンB5) |
2 mg |
ビタミンB6 | 2 mg |
ビタミンB2 | 0.09 mg |
ビタミンB12 | 2 μg |
アルギニン | 120 mg |
成分 | 含量 |
カフェイン | 40 mg |
炭水化物 | 13 g |
ナトリウム | 78 mg |
ビタミンB2 | 0.7 mg |
ナイアシン | 8.5 mg |
ビタミンB6 | 0.8mg |
L-アルギニン | 125 mg |
D-リボース | 125mg |
L-カルニチン | 29mg |
共通するメインの成分は「ビタミンB群」、「アルギニン」、「カフェイン」といったところでしょうか。
ビタミンB群
「ビタミンB郡」に関しては、以前の記事にて簡単に書いていたのでまた参考にしてください。
↓↓↓
アルギニン
次に「アルギニン」は、アミノ酸の一種で、
主な効果に、
「成長ホルモンの生成を助ける」、「血行を促進する」
ことが知られています。
成長ホルモンによる筋肉の回復効果や疲労回復、肌細胞の修復などを目的として、
アルギニンをサプリメントで摂取する人もいるようです。
僕自身もトレーニングのあとのサプリメントとして摂取していたことがありますが、
あまり効果は実感できなかったです。
1回に約5gくらいを摂取していたので、感覚的にわかるのですが、
エナジードリンクに含まれる量では1日摂取推奨量に比べても少なく、
特に効果を実感することはないのかなと思います。
カフェイン
一番効果を実感しているのはこのカフェインだと思います。
ご存知のとおり、カフェインの主な効果に
中枢神経系を興奮させ、眠気を払い、意欲や集中力を高めるといった効果があります。
眠気を飛ばして仕事、勉強、運動に集中しなければならないときに役にたち、
活用している人は多いのではないかと思います。
実際に僕の記憶では、ここ一番の試合の際に高校以降のカテゴリーではほとんどの選手が飲んでいました。
一方でリスクもあり、頭痛や心拍数の増加、不安、不眠、吐き気、下痢などを引き起こす可能性もあります。
メリットは感覚的にわかっていると思いますので、
今日は悪い面も含めてカフェインについてより深く知ってみましょう。
カフェイン耐性と依存性と中毒症状
くりかえしカフェインを摂取することによって意外にも早く慣れが生じて、体がカフェインに反応しにくい状態になります。
つまり、同じ量を摂取しても徐々に効果を感じることができなくなっていきます。
同じ効果を求めてカフェイン含有のドリンクを飲む量が増えたり、摂取回数が増えていきます。
やがて飲まないと不安に感じ、依存状態になっていきます。
僕の経験では、カフェインの効果が切れると、やる気が出ないまたは無気力になり、カフェインを摂取しなければ普通の状態に戻れなくなったことがあります。
エナジードリンクやカフェインの錠剤での過剰摂取で日本人が亡くなるといったニュースがでてきたり、最近ではカフェインの中毒症状についても徐々に知られていますね。
安全な量とは?
カフェインの感受性と体重(体格)によって異なってくるので、絶対はありませんが、
欧州食品安全機関が発表している、成人の安全摂取量があります。
1回に 3 mg / kg まで
1日に 5.7 mg / kg まで
仮に60kgの方だとすると、
1回に摂取していいのは 180 mg まで
1日に摂取していいのは 342 mg まで
日常的に口にし、カフェインを含むものを参考までに上げておきます。
コーヒー1杯 60~90 mg
栄養ドリンク1本 50 mg
エナジードリンク 1本 80~120 mg
おそらく、1日に数回、普通にコーヒーを飲む分には問題ないことがわかると思います。
摂取し、急激に血液中のカフェインの濃度があがった後、半分の濃度になるのにかかる時間(半減期)は4~6時間ということが知られています。カフェインが代謝されてなくなる前に、さらに追加のカフェインを摂取すると、血液中の濃度が高くなるので注意が必要です。
(未成年の安全摂取量等もまたどこかでやります。)
スポーツ選手にとって上手な付き合い方とは?
エナジードリンクを必要とするアスリートはどういう心境なのだろうか考えてみると、どうなるかわからない試合の前に不安を持ち、期待に応えたいというプレッシャーを抱え、結果がよくなるならどんなものにでも頼りたいなどと考えていると思う。
どんな優秀なアスリート・人間でも不完全なものだし、心のどこかで自分に足りない部分があることを感じる。
その不完全さを埋めるのにエナジードリンクを活用するという状況は理解できます。
ただ、先ほど述べた依存性や中毒についての知識をつけて、自己管理していくことが大切だと感じています。
大事な試合などのピークに合わせてカフェインの効果を活用するのに、耐性を作らないよう、普段の生活や日々の練習ではカフェイン摂取を控えるなどの工夫をしていくことをすすめたいと思います。
※ドーピング等の関係もあるのでまた詳しくまとめてみます。
未成年アスリートに対して
エナジードリンクに何が入っているのか?
どんな飲み物なのか?
未成年アスリートはそういったことをあまり分かっていないと感じています。
カフェイン摂取の代表といえば、昔はコーヒーでした。僕自身も歳を重ねてからコーヒーが大好きになった経験があります。
(甘党なので恥ずかしながら高校卒業までほとんど飲んだことなかった。)
今までは未成年の若者は苦いコーヒーを口にすることは少なく、カフェイン摂取する機会は現在よりも少なかったと思います。
しかしここ最近、エナジードリンクが普及したことで、10代の若者が早期にカフェインに依存することも珍しいことではなくなってきています。
実はエナジードリンクの記載には「お子様や、妊娠中または授乳中の方、カフェインに敏感な方にはお勧めしません」といった内容があります。
医薬品ではないので、用法用量の記載も強制ではないですし、購入時に指導を受けることなく、この程度の情報しか書かれず、入手できる現状では仕方のないことなのかもしれません。
しかし、僕はこれでは不十分だと考えています。
このブログでの発信も含め、社会問題の一つとして、正しい知識を広めることは重要だと思います。
カフェインとうまく付き合おう
最後に、今回の記事はエナジードリンクがダメだとか、カフェインが危険だとかそのようなレベルのことを伝えたいのではないことを理解していただきたいと思います。
意欲的を上げ、集中力を高め、その他に体にも様々な良い効果(今回は解説なしでしたが。)があるエナジードリンクやコーヒーなどによるカフェインの摂取は私たちの生活にどんどん身近になってきており、活用することにより効率よく目標達成していくことができます。このスキルは必須であるとも言えます。
特にアスリートにとっては、より良い結果につながることもあります。また僕のように過剰に摂取することで健康を害するといった最悪の事態を避けて欲しいと思っています。
知識を頭に入れて、自分に合う量や、飲むタイミングなどをみつけていきましょう!
またカフェインについては記事を書いてみます!
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