様々なスポーツのトップ選手と話して感じることがあります
それは、
動作に対する体の使い方の知識が圧倒的に多く、体系化されている
ということです。
こういったことは、若いカテゴリーで、
上達のスピードの早い選手の特徴のひとつでもあります。
バスケットボール教室で指導を続けていますが、
①感覚を頼りにスキルを身に付ける
↓
②観察・感覚から帰納し、言語化する
↓
③体系化し、メカニズムを理解する
こういった流れで、スキルを各選手が身につけることができるようコーチングしています。
特にバスケットボールにおけるシュートのスキルは非常に複雑で、全身をコーディネーションする能力が必要なので、力を入れています。
僕自身も、キャリアの中でバスケットボールを始めた際にはここまでやっていませんでしたが、
中学、高校と歳を重ねるごとに、考えることが増え、成長も加速したと感じています。
①感覚を頼りにスキルを身に付ける
まずは基本動作の繰り返しと観察を行い、感覚を体になじませていきます。
スキルを覚えるのには最低でも2万回の動作の繰り返しが必要と言われており、
若いカテゴリーで基本動作の反復練習をするのは非常に重要であると言えます。
僕がこれを伝える際には、よく箸でご飯を食べる話をします。
箸を使って食べ物をつかむというのは非常に難しい動作です。
しかし、数万回繰り返してきた私たち日本人にとっては、
何も意識することなく(どの指で支え、どこに力をいれてとか…)
効率的に食事をすることができます。
(海外から初めてきた人が、うまく使えない姿はよくみてきました。)
②感覚だけから観察、そして帰納し、言語化する
自分なりのポイントや課題をみつけ、再現するのに必要な動きを
言葉でどのように表現するかを考えていきます。
言語化するには、観察する力が必須です。
運動能力が低い人は自分の考えている動きと、実際の動きに差がある。
以前YOUTUBEで武井壮も、このようなことを言っていました。
③体系化し、メカニズムを理解する
ここまでやれば、トップ選手に近づいていきます。
色々なコーチがおり、スキルについて様々な指導をされ、
コーチの言うとおりにしていたら、完璧が手に入ると考える選手がよくいますが、
スキルに完璧な正解はありません。
ただし、より効率的で、理にかなっている動き方というのは必ずあります。
それを踏まえた上で、
自分の体格、柔軟性や可動域、筋力など様々な要素を考慮しながら、
自らにとってベターな動きを見つけていく必要があります。
おそらく、多くの選手が①の感覚を磨くところは多くの時間を費やしますが、
非常に重要な要素である②、③の部分をできていない選手が意外にも多いと感じます。
なぜ、これらは重要なのか?
まず、感覚的だったものを具体的にすることができ、本質が見えるようになります。
そして、具体的であることによって、振り返りのスピードが格段に早くすることができます。
トップ選手でも、失敗することは当然ありますが、
試合中などの短時間の間に修正できるところが、明らかに一般の方と異なると考えています。
また、ユースの世代の選手は、体も大きくなり、身体能力もかなり変わってくる時期です。
この時期は、スキルの感覚もすぐに変わっていくので、本質を理解し、体系化しておくことで
自らの成長に合わせて、調整(コーディネート)しやすくなると考えています。
特にバスケットボールにおけるシュートは、高いところにあるリングに向けて、
ボールを投げていく動作になるので、この調整力は非常に重要です。
調整がうまくいかず、小学生、中学生のころはすごくシュートがうまかった選手が、
成長していく中でシュートが下手になっていったり、抜け出せないスランプに苦しむ。
そういった選手を僕自身もたくさんみてきました。
今後もバスケットボールの指導をしていく中で、
特にシュートに関しては、言語化とメカニズムの解説を重視しつつ、
考えてもらったり、気づいてもらえるように伝えていきたいと思っています。
P.S.
最近、動画を利用して気づかせてあげるといったことを実験しています。
自分自身を客観的に見ることもできますし、
どの瞬間の、どの部分を、どうしらいいのかをピンポイントで伝えることができるので、
今のところ、もっとも効率よく成長していけると感じています。
大学の研究施設を利用してデータをとってメカニズムをより細かく検証し、
動画を利用して指導できるようなシステムを考え中です。
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